大人の発達障害、いつ気付いた?私の場合

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おこげ
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こんにちは!ASD主婦ブロガーのおこげです。

発達障害、という言葉が世間に定着して久しくなりますね。最近は早期発見、早期療育の流れもあり、子どもの段階で発達障害の診断が付くケースも増えていることと思います。

しかし私の子ども時代はまだまだ発達障害という言葉は世間に浸透しておらず、私が発達障害の診断を受けたのは成人してからでした。私と同世代、もしくは上の世代の方もそのようなパターンが多いのではないでしょうか。

また、今は診断が付いてないけど、自分や自分に近しい人が発達障害なのではないか…とモヤモヤしてらっしゃる方もおられるかもしれませんね。

今回は私の体験を交えながら、どのようにして発達障害の診断に至ったのかについて触れていこうと思います。

働き始めてから自分の違和感が確信に変わる

子どもの頃から特徴的な子どもではあったのですが、私が生きづらさを具体的に感じ始めたのは成人してからになります。

まず、仕事を続けることが難しいのです。仕事を覚えるのが遅く、ミスも多いため最初は優しかった上司や同僚も次第に冷たくなっていきます。その空気に耐え切れなくなるのです。早ければ三日、頑張っても半年、それくらいの頻度で転職を繰り返していました。

何度かトライを繰り返していくうちに半年以上働くこともできるようになってきました。ところが長期的に働けるようになってから直面した問題が「人間関係」です。私は人間関係が複雑化すると理解が出来ずに混乱してしまうのです。特に女性中心の職場だと起こりがちなのですが、気の合う人同士でグループが出来てたりして、違うグループを目の敵にしてて…みたいな事を目の当たりにすると自分はどう動いたらいいのか全く分からなくなります。そして最終的には適応障害を発症してしまい職場に居ることが出来なくなってしまうのでした。

「能力的な問題」と「人間関係」いつもこの二つの壁にぶつかり、仕事を続けられなくなるのでした。

こんな事を何度も続けるうちに「私は何か障害があるのではないか?」と思うようになったのです。

発達障害の検査を受ける

発達障害の診断によく使われるのが「WAIS」と言う知能検査です。子ども用から成人用まで用意されているためどの世代の方にも検査が出来ます。全般的なIQが図れる他、「言語性IQ」と「動作性IQ」、処理速度など様々な能力のばらつきを知ることが出来ます。

私もこちらの検査を受けたのですが、最初のクリニックでは「個性です」と言われてしまうのでした。

私はこの結果に若干モヤモヤしつつも受け止めてクリニックをあとにしました。

あとに分かったのですが、発達障害の適切な診断をしてくれる医療機関はこの頃は少なく、どこのクリニックへ行くかというのも診断には重要なポイントだったのです。

誰彼構わず発達障害と診断するのもどうかと思うのですが、実際苦しんでる当事者の苦しみに寄り添い、適切な着地点を見つけてくれる医療機関がこれからも増えていくといいなと思います。

「自閉ちゃん」と呼ばれて

時は流れて数年後、私はとある職場で働いていました。その時の上司は私を度々「自閉ちゃん」と呼ぶのでした。「あなた自閉ちゃんよね。ほかの人と違う。」と日常的に言われ、私は悲しい気持ちになるよりも「やっぱそうよね」と変に納得するのでした。この上司、ややパワハラ気味な人だったのですが、私は自分が感じる違和感をほかの人も私に対して持ってることを教えてくれた事に関しては感謝しています。

私は自分なりに自閉症について調べ始めました。

それまで私は自閉症は知的障害を伴うものだと思っていたのですが、この時初めて私は知的障害のない自閉症の人が居ることを知るのでした。彼らは「アスペルガー症候群」と当時は呼ばれていました。

アスペルガー症候群について調べていくうちに「発達障害」という言葉も知りました。その概要を知るうちに、私は何らかの発達障害なのではないかと感じるようになるのでした。

発達障害の当事者会へ参加する

私は何らかの発達障害なのではないか。それを知るためにはどうしたらいいのか私は考えました。以前知能検査をしたクリニックでは恐らく私の納得のいく結論を出してくれないだろうし、でもどこの医療機関にかかればいいのかもサッパリ分かりませんでした。

そんな時、市民だよりで発見したのが「発達障害ワークショップ」の文字。

藁にもすがる思いでワークショップへ参加し、そこから発達障害の当事者会へとつながることが出来ました。

発達障害の当事者会は、全国各地で開催されています。発達障害の当事者が立ち上げたものや支援職の人が関わっているものもあります。当事者同士で悩みについて話し合ったりグループワークをするなどして交流を深めています。

発達障害の当事者会で情報交換をするうちに、発達障害に強い医療機関を教えて頂き、とある児童精神科へ予約しました。予約できた日は半年後でした。

児童精神科にて発達障害の診断を受ける

半年後、某児童精神科へ私は向かいました。そちらはあくまでも児童精神科、診断のみしかしませんよ、との事でした。以前の知能検査の結果を提出し、心理士からバウム検査を受けました。

バウム検査とは、一本の木の絵を描く心理検査です。一本の木を描くだけで深層心理が分かると言いますが、この検査がなぜされたのかは未だに謎です。

検査を受けた後に診察室でしばらく待ち、呼ばれた私は医師より「高機能自閉症」の診断を受けました。

一口でASDと言っても以前は様々なタイプに分かれていました。アスペルガー症候群や高機能自閉症、広汎性発達障害などと呼ばれていました。高機能自閉症は幼少期の言葉の遅れがあったものの、知的障害の無い自閉症です。私は発語に若干の遅れがあったのでそのような診断が付いたのでしょう。

この診断は少し驚きましたが自分にしっくりくると感じました。

診断した児童精神科医は地域では有名な発達障害の第一人者でした。彼から診断を受けた事でようやく納得のいく結論に行き着いたのです。

落としどころは自分で決める

私はとにかく、社会で生きて行くことに大きな困難を感じていたので発達障害の診断を受けました。今は障害者手帳を取得し福祉サービスや医療的ケアを受けながら地域で暮らしています。

一方で診断の有無に関わらず、社会で自分に合う仕事を見つけて自立した暮らしを送ることの出来てる当事者の方もいらっしゃいます。自閉症は連続体、人それぞれに多様な特性があります。

もしも今、生きづらさを感じて生きることに行き詰まってる方は、発達障害の検査を受けるのもひとつの手段です。だけど、発達障害の診断を受けたからと言って、生きづらさがすぐに解消するわけではありません。私も今は比較的安定して暮らしていますがここまで来るのに10年の歳月がかかりました。

一方で、自分には特性があると思う方でも生きづらさを特に感じていない方や発達障害の診断を受けることに不都合を感じる方は何も診断を受ける必要は無いと思います。

結局のところ、落としどころを決めるのは自分です。発達障害の診断を受けることは自分の苦しみの根っこを知るヒントにはなりますが、それが全ての答えでは無いのです。

自分の生きづらさにヒントが欲しい方は、自分の行きやすいと感じる支援機関や医療機関に繋がってみるといいかもしれません。

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